7月末に下記の訳書を出版します。
ステファーノ・バルトリーニ著、中野佳裕訳、『幸せのマニフェスト──消費社会から関係の豊かな社会へ』、コモンズ、2018年7月末刊行予定
【紹介】
誰もが幸せになりたい。だが、多くの人たちが幸せとは感じていない。その根本的な原因は関係性の質の悪化である。そして、最も模倣してはならないのが米国だ。先行研究によれば、消費主義に大きな価値を置く人は、そうでない人と比べて幸福度は低く、不安や苛立ちの諸症状やうつ病の高いリスクを抱えている。さらに彼らはテレビを長時間視聴し、アルコールや薬の摂取量も多く、健康状態も悪い。多くのデータ、多方面にわたる知識・文献・考察から、現代社会の不幸せの原因を探り、解決の方向性を示す。イタリアで出版後、ヨーロッパ各国語に翻訳されて好評を博している。
【目次】
日本語版への序文
序章 幸福の逆説
第Ⅰ部 短いマニフェスト
第Ⅱ部 米国――模倣すべきではない事例
第Ⅲ部 関係の質は何に依存するのか?
第Ⅳ部 幸せのための政策
第Ⅴ部 2008年の金融危機
第Ⅵ部 関係の豊かな社会は可能だ
訳者解説
訳者あとがき
参考文献リスト
著者プロフィール
ステファーノ・バルトリーニ (ステファーノ バルトリーニ) (著)
イタリアのシエナ大学政治経済・統計学部准教授。ロバート・パトナムの社会関係資本の研究に影響を受け、経済成長と開発が先進社会の幸福度、社会関係、生活環境に与える様々な影響を分析する研究をイタリアで牽引している。2010年にイタリア語で刊行された本書は、ポスト成長社会の展望を「関係の豊かさ」に焦点を当てて考察する良書である。フランス語、アルバニア語、スペイン語など、ヨーロッパ各国語にも翻訳されている。
詳細は、版元ドットコムまで。
中野佳裕の研究室 Yoshihiro Nakano's Web Office