エコロジーと脱成長:現代フランスの動向を知る
白水社の月刊誌『ふらんす』2024年6月号が刊行されました。特集は「エコロジー」。フランスにおけるエコロジーの動向について、「食生活」「脱成長」「環境教育」を切り口に紹介しています。各分野の専門家が現地の時事問題や関連書籍を紹介する形をとっており、小生は「エコロジーと脱成長」というテーマでインタビューに答えています。
このインタビュー記事では、小生が白水社と手がけたセルジュ・ラトゥーシュの訳書を手引きに、脱成長の基本テーマや論点を解説しています。取り上げている訳書は下記の通り。
- 『脱成長』白水社クセジュ文庫、2020年(原題━Serge Latouche, La décroissance, Paris: Que-sais je?, 2019)
- 『脱成長がもたらす働き方の改革』白水社、2023年(原題━Serge Latouche, Travailler moins, travailler autrement ou ne pas travailler du tout: labeur et décroissance, Paris: Rivages, 2021)
- 『生きる技法としての節度ある豊かさ:幸福、ガストロノミー、脱成長(仮)』(近刊予定)(原題━Serge Latouche, L’abondance frugale comme art de vivre: bonheur, gastronomie et décroissance, Paris: Rivage, 2020)*邦題は『脱成長と食と幸福』に決定しました(2024年8月4日)
記事には、完成させたばかりの新しい訳書の訳稿と解説が反映されています。今度の訳書は、著者の脱成長文化理論の真骨頂ともいえる内容で、西洋幸福論やガストロノミーの脱構築が試みられています。訳者の私も楽しくテクストと向き合うことができました。
訳書刊行までまだ少し時間がかかりますが、しばらくの間はこの記事を読みながら想像力を膨らませて頂ければ幸いです。
中野佳裕
2024. 5. 26.
修正:2024. 8. 4.