Teaching

  • 平和学分野

2012年度から2018年度の間、国際基督教大学教養学部で「平和研究Ⅱ」を担当。産業社会の過剰発展が引き起こす社会的・文化的・生態学的問題を文明論的な視点から検討する講義。毎年、中盤には学外からゲスト講師を招き、「地域公共圏の表現法」と題する公開ワークショップを行なった。2018年度からは、早稲田大学で「平和をつくるプロフェッショナルα」(留学センター科目)も担当。消費社会のグローバル化を総合的かつ批判的に検討する講義。


  • 開発学分野

2009年から2011年まで、立命館大学国際関係学部で南北問題(North-South Relations)の英語講義を担当。2014~2018年度の間、国際基督教大学教養学部で開発学入門(英語、*2014年度のみ日本語も)と開発倫理学入門講義を担当。これらの講義では、国際開発体制の歴史的・思想的構造を、ヨーロッパ植民地主義時代にまでさかのぼって検討した。また、南側諸国の民衆運動やオルタナティブな発展思想に注目し、グローバルな正義のあり方について検討した。

また2015年度には、恵泉女学園大学で開発教育論も担当。同講義では、グローバルな共生社会を実現するために、開発の歴史を批判的に学ぶ講義を行なった。


  • 国際政治経済学分野

2009~2011年度まで、立命館大学国際関係学部でグローバリゼーションの様々な理論を学ぶリサーチ・プロジェクト講義を担当した。2013年度から2018年度までは、フェリス女学院大学国際交流学部で国際政治経済学(2014年度より、「グローバル化と生活」に改名)の講義を担当した。開発学分野の講義とリンクさせながら、グローバル化時代における先進国と途上国の社会問題を多角的に検討した。


  • ソーシャル・イノヴェーション分野

2018年度から2021年度まで早稲田大学で、「Conflict Resolution and Social Innovation in Practice」という英語講義を担当。この講義では、グローバル経済の構造的問題を総合的に検討し、そのシステミックなオルタナティブとして、世界各地のローカリゼーションの取り組みを検討した。南ヨーロッパのスローフード、脱成長、英国のトランジションタウン運動、北米のCommunity Supported Agriculture、そして日本やアジアの市民社会の取り組みについて、受講生と共に議論した。


  • 社会デザイン学分野

2022年度から立教大学で社会デザイン学分野の講義を英語と日本語で担当している。「Japanese Modernity and Development」では近現代日本の社会開発の様々な問題群を検討している。海外のJapan Studiesの最新の研究動向を参考にしながら、言説分析、モビリティ―研究、アクター・ネットワーク理論、ポリティカル・エコロジー、農村地理学、グローバル・ヒストリーなどの研究方法を応用した開発研究を行っている。

Inclusion」では、新自由主義から21世紀型エコ社会契約へと開発の方向転換を目指す様々なアイデアと実践を、国際機関における先端的議論からローカルな社会運動(e.g. 連帯経済、脱成長 etc)まで網羅しながら検討している。

コミュニティ・デザイン演習(ローカリズム原論)」では、日本と海外のローカリゼーション運動について「理論」「アクターの形成」「里山のローカリズム」「里海のローカリズム」「風土/地域主義」「都市の公共政策」などの問題群に整理して検討する講義を行っている。国際的な研究動向を踏まえた上で、ローカリゼーションを研究調査・分析する際の方法論にも注目する。

グローバル・リスクマネジメント演習(人新世の社会デザイン学概論)」では、「人新世(the Anthropocene)」の時代に人類が直面する重層的なグローバルリスクについて、各問題領域に関する国際的に重要な論文(英語)を講読し理解を深める演習を行っている。


中野佳裕の研究室 Yoshihiro Nakano's Web Office