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研究者。PhD。専門は社会哲学、開発学、平和研究。社会発展パラダイムを問いなおし、持続可能な未来社会を構想するコミュニティ・デザイン理論の研究を行っている。脱成長、脱開発、トランジション・デザインがキーワード。 Researcher: Areas of specialization are social philosophy and critical development and peace studies. Working on community designing in line with the ideas of degrowth, postdevelopment and transitions design.

近刊案内

カタツムリの知恵と脱成長

──貧しさと豊かさについての変奏曲──

中野佳裕(著)

コモンズ(出版社)

11月末刊行予定


【目次】

プロローグ:世界をケアするために

第1章:カタツムリの知恵と脱成長

第2章:〈貧しさ〉を問い直す──マジード・ラーネマの思想を訪ねて

第3章:精神の地域主義──セルジュ・ラトゥーシュの思想との出会い

第4章:生まれてくる生命(いのち)を支える社会を創る

エピローグ:そして、スイミーになる──And Becoming Swimmy

人名・キーワード解説

あとがき


「大きな家(=殻)を欲しがったちびカタツムリはその願いを実現しました。でも、まわりにエサがなくなったとき、殻が重すぎて仲間たちのように動けず、やがて餓死してしまったのです。過剰な成長を求める人間は大丈夫でしょうか?」ホンモノの豊かさを構想するための「思考の物差し」の提供を目指す作品。現代思想の最先端を取り込みつつ、わかりやすく論じる。大学や市民勉強会のテキストに最適。


詳細・お問い合わせは、出版社コモンズまで。

雑感 2017年10月15日

「民主政治、市民社会とは、コンテクストの共有を急がず緩やかに行っていく社会である。そこでは、対話が不可欠の要素となる。」(平田オリザ、『演劇入門』、講談社現代新書、1998年、200頁。)

社会は多様な人が共存する場である。だからこそ、異なるコンテクストを擦り合わせていく対話が必要となる。政治は対話を演出する場に他ならず、政治家は第一級の対話の演出家でなくてはならない。それは国内政治でも外交でも同じことだろう。

「富国強兵」「高度成長」「一億総活躍」などの仮想のコンテクストを上から押しつける政治ではなく、多様なコンテクストをボトムアップですり合わせていく対話重視の政治へ…。

中野佳裕(Yoshihiro Nakano)

2017年10月15日