フランスの月刊誌ルモンド・ディプロマティーク(Le Monde diplomatique)3月号に、米国のジャーナリスト、ソニア・シャー(Sonia Shah)による新型コロナウイルスに関する興味深い記事が掲載されている。COVID-19を、HIVやSARSなど他のウイルスの歴史を踏まえて分析しており、これらのウイルスによる感染症の発生には、20世紀を通じて進められてきた開発主義が関連しているという見解が示されている。都市化・工業化の進行に伴い野生動物が暮らす生息地(habitat)が破壊され、本来自然界の中で制御されていたウイルスと人間がダイレクトに接触するようになったことが大きな要因の一つでであるとのこと。その上で、著者は現代社会のエコロジカルな転換こそが解決になると主張している。