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研究者。PhD。専門は社会哲学、開発学、平和研究。社会発展パラダイムを問いなおし、持続可能な未来社会を構想するコミュニティ・デザイン理論の研究を行っている。脱成長、脱開発、トランジション・デザインがキーワード。 Researcher: Areas of specialization are social philosophy and critical development and peace studies. Working on community designing in line with the ideas of degrowth, postdevelopment and transitions design.

協働と連帯の推進へ:COVID-19以後の社会構想

連帯経済/協働型経済研究で世界的に有名なフランスの研究所EMES国際研究ネットワークが、今回のパンデミックに関する声明文を発表しました。(1)貧困や差別と闘う協働と連帯のコミュニティ経済の役割、(2)政府と市民社会のコラボレーションの重要性などに触れています。全文(英語)は、EMESのウェブサイトで閲覧できます。

 

給付金でコミュニティを支えよう

新型コロナウイルス対策として政府から支給される一律10万円の給付金。家計の生活の足しとしては頼りないかもしれないけど、使い方によっては短期的にはコミュニティを支える手段になるかもしれない。

仮に各人が受け取った給付金を共通のプロジェクトのために共同出資したらどうなるだろう?

10万円 ✕ 10人 = 100万円

10万円 ✕ 50人 = 500万円

10万円 ✕ 100人 = 1000万円

これだけの出資金があれば、どんなことができるだろう? 子ども食堂の支援、商店街活性化のイベント、地産地消プロジェクト、産前産後ケア活動のサポート、教育支援活動、芸術文化活動支援、スポーツリクリエーションなどなど、コミュニティの「困っていること」を支える小規模な経済・社会活動を起こすことができるはず。ポイントは、広範囲に考えるのではなく、自分達の生活圏の中で支え合いのネットワークを創り、ニーズを満たしていくこと。

家計支援という固定観念から抜け出し、分断を超えて意志ある者達と協働する道を選べは、頼りなく見える給付金でもコミュニティの多くの人を支える手段になる。NPO、協同組合、その他様々な市民アソシエーションは、是非、そのための受け皿を用意してほしい。地元で頑張る個人事業主やアーティストたちも、学生も。誰もがアクターになれる、みんなが参加できる。アイデアを出し合い、創意工夫をすれば、小さな規模でも大きな効果をきっと得られるはず。

2020年4月21日