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研究者。PhD。専門は社会哲学、開発学、平和研究。社会発展パラダイムを問いなおし、持続可能な未来社会を構想するコミュニティ・デザイン理論の研究を行っている。脱成長、脱開発、トランジション・デザインがキーワード。 Researcher: Areas of specialization are social philosophy and critical development and peace studies. Working on community designing in line with the ideas of degrowth, postdevelopment and transitions design.

第10回国際脱成長会議要旨集の刊行

第10回脱成長国際会議 (ポンテベドラ、スペイン、2024年6月18日‐21日)

この度、2024年6月18日~21日にスペインのガリシア自治州の州都ポンテベドラにおいて第10回国際脱成長会議(10th International Degrowth Conference)の要旨集(プロシーディングス)が刊行されました。

第15回欧州エコロジー経済学会(European Society for Ecological Economics=ESEE)との共同開催となったこの国際会議は、「ESEE-Degrowth 2024」と名付けられています。

大会テーマは「経済成長を超えた科学・技術・イノベーション(Science, Technology, and Innovation Beyond Growth )」。欧州各国を中心に1200名を超える参加者、1000本近い報告論文の発表を集めたこの会議は、現地の社会運動、音楽家、伝統工芸職人とも連携したユニークな内容でした。

小生は日本からの唯一の参加者(名簿を見た限りでは)となりましたが、20年前にフランスで脱成長運動が始まったばかりの時に同じ社会運動に参加していた仲間と久しぶりに再会したり、フランス語圏以外の研究者の研究動向を知るなど、学びの多い4日間となりました。英

ちなみに小生は、日本における脱成長/脱開発論の先駆者である玉野井芳郎と鶴見和子の技術論を再検討する論文を発表しました。現在は、報告論文をさらに発展させるために研究を進めています。

要旨集(プロシーディングス)は、スペイン・ビーゴ大学のポスト成長イノヴェーション・ラボのウェブサイトからダウンロード可能です。

中野佳裕

2025. 2. 4.

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2025年 新年のご挨拶

新しい年が明けました。今年も宜しくお願いいたします。

正月の日課は、日本の古典文学を読んで過ごすこと。今年も昨年同様、大好きな古今和歌集と平家物語を手に取りました。仕事の事情で正月を東京で過ごすことが増えましたが、これらの作品を読むと、故郷のある周防灘の風景や歴史、子供の頃に母方の祖母と和歌を詠んで遊んだ頃の記憶が蘇ります。

近年では古典の現代語訳が多く出版されていますが、私はやはり古文のリズムが好きです。

翻訳にも携わっているので、日本の古典がフランス語や英語にどのように翻訳されているのかも興味があります。

今年も複数の言語の間を往来しながら、言葉による表現を磨いていきたいです。

中野佳裕

2025. 1. 1.