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研究者。PhD。専門は社会哲学、開発学、平和研究。社会発展パラダイムを問いなおし、持続可能な未来社会を構想するコミュニティ・デザイン理論の研究を行っている。脱成長、脱開発、トランジション・デザインがキーワード。 Researcher: Areas of specialization are social philosophy and critical development and peace studies. Working on community designing in line with the ideas of degrowth, postdevelopment and transitions design.

スペイン・ビーゴ大学での研究報告

去る4月29日(火)、スペインのビーゴ大学に拠点を置く「ポスト成長イノヴェーション研究室(The Post-growth Innovation Lab)の主催で、「Postdevelopment in Japan: A Contribution to Degrowth and the Pluriverse」というテーマのオンライン研究発表を行いました。

数年来研究している玉野井芳郎の地域主義と鶴見和子の内発的発展論を関係論的視座から再検証し、国際的な脱成長論や多元世界論との接合を試みました。

新しく書き上げた論文の草稿に基づいた報告でしたが、現地の研究者からは欧州と日本における社会デザイン・制度設計、社会運動の思潮をめぐる違いなどに関して、論点整理に役立つ質問を頂きました。

学問はコンヴィヴィアルな議論を通じてのみ進歩することを、改め実感。良い時間を頂きました。

Many thanks to all!

中野佳裕

2025. 5. 1.

第10回国際脱成長会議要旨集の刊行

第10回脱成長国際会議 (ポンテベドラ、スペイン、2024年6月18日‐21日)

この度、2024年6月18日~21日にスペインのガリシア自治州の州都ポンテベドラにおいて第10回国際脱成長会議(10th International Degrowth Conference)の要旨集(プロシーディングス)が刊行されました。

第15回欧州エコロジー経済学会(European Society for Ecological Economics=ESEE)との共同開催となったこの国際会議は、「ESEE-Degrowth 2024」と名付けられています。

大会テーマは「経済成長を超えた科学・技術・イノベーション(Science, Technology, and Innovation Beyond Growth )」。欧州各国を中心に1200名を超える参加者、1000本近い報告論文の発表を集めたこの会議は、現地の社会運動、音楽家、伝統工芸職人とも連携したユニークな内容でした。

小生は日本からの唯一の参加者(名簿を見た限りでは)となりましたが、20年前にフランスで脱成長運動が始まったばかりの時に同じ社会運動に参加していた仲間と久しぶりに再会したり、フランス語圏以外の研究者の研究動向を知るなど、学びの多い4日間となりました。英

ちなみに小生は、日本における脱成長/脱開発論の先駆者である玉野井芳郎と鶴見和子の技術論を再検討する論文を発表しました。現在は、報告論文をさらに発展させるために研究を進めています。

要旨集(プロシーディングス)は、スペイン・ビーゴ大学のポスト成長イノヴェーション・ラボのウェブサイトからダウンロード可能です。

中野佳裕

2025. 2. 4.

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